お弁当コミュニケーションのすすめ。

私の昼食はお弁当です。

毎朝、妻が早起きしてつくってくれます。まあ、子どもがお弁当がいるので一緒につくってもらっているということもあります。

でも、昼食はお弁当が一番ありがたいです。東京勤務になって、昼食の外食に困ります。お金さえ出せば、美味しいところはあるんでしょうが、毎日高いランチは食べれません。また、外食をすると食事の量も満足するだけでてくるわけではありません。

そして、ある程度年齢を重ねてくると、昼食の質が昼以降の体調を決めるのです。つまり脂っこいものを食べた、どうも自分の好みでないものを食べたとなると疲れます。仕事が遅くなるとお腹が減るので、間食をとってしまいこれまた翌日の胃もたれの原因になります。

妻は玄米ご飯を入れてくれるので、腹持ちがいいのです。玄米を食べると間食をすることはありません。そして、何よりもお弁当がいいのは、自分の慣れた味を思う存分の量を食べれることです。つまり自分の身体に一番合った食事なのです。

妻にはお礼とともに味のフィードバックをすれば、お弁当も変化を見せます。その日々の変化がまた楽しいのもお弁当の醍醐味です。毎日のお弁当をみれば作り手の気持ちや状態が意外と分かるものです。お弁当は食事だけでなく、作り手と受け手(正確に言えば食べ手でしょうか?)の会話でもあるんです。お弁当を通じてのコミュニケーション、普段仕事で夜遅く帰ってきて会話ができない夫婦、子どもが思春期を迎えて話ができてない親子なんかには特におすすめのやりとりです。

玄米ではありませんが、これだけ食べれば満腹です。

これだけ食べれば満腹です。

しかし、子どもと私のお弁当毎日つくる妻には本当に頭が下がります。妻がお弁当をつくれないとなった場合は私が子どものお弁当をつくらなくてなりません。限られた時間の中で毎日手の込んだものをつくれるかというと私には料理の腕も丁寧さもありません。食べるばかりでなく、つくることにもこだわってもいいんじゃないかと思って手に取ったのが渡辺俊美さんの「461個の弁当は、親父と息子の男の約束」(マガジンハウス)です。

男がつくる手づくり弁当のレシピ本かと思いきや、高校生の息子さんにお弁当を男手でつくることになった渡辺さんのお弁当にまつわる物語です。お弁当の写真が中心なのですが、お弁当をつくる渡辺さんの心境やお弁当づくりの工夫、そしてお弁当に対するこだわりから、息子さんのお弁当の好み、出来事などまでまさにお弁当を通じた父親と息子の絆が書かれています。お弁当コミュニケーションを地でやられていました。料理の腕はもともとあった方なんでしょうが、つくり続けることでお弁当がうまくなっていくのが写真を見ればわかります。

作り手に対して感謝の気持ちと、そして自分も1回くらいつくってみようかなぁと背中を教えてくれる本です。

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