人間をダメにするソファで新規顧客を開拓。

3331 Arts Chiyodaさんで行われた『「無印良品」のマーケティング方程式』のセミナーに参加してきました。講師はWeb事業部部長の奥谷さんで、MUJI Passportをはじめた方です。セミナーの内容は顧客のデータをマーケティングに活用した実践的なものでした。また、実際のデータも見せていただき、非常に説得力のあるものでした。

一番笑ったお話が、Twitterでも話題になった「人をダメにするソファ」が引き起こしたことです。

 

無印良品としては、当初はこんな訴求の仕方はしてなかったんですが、このツィートをきっかけにこのソファはヒットしたということです。

さらに興味深いのが、このソファを購入した顧客層の変化です。
ソファ
無印良品と言えば、女性の顧客層が中心ですが、このバズをきっかけに、男性の顧客の売り上げを増やしています。バズ以降、特に10代、20代の男性の顧客層を増やしているのです。しかも、異常なくらいこれまで顧客としていなかった層の購買が増えています。

新規顧客を振り向かせるのは、既存顧客を振りまかせる労力の5倍必要だと言われています。当たり前です。これまで買わなかったのは、そこに関心がなかったからです。その人に対して「買ってください」というのは、従来の延長線のやり方では無理です。まったく違ったアプローチが必要です。それは自分の商品のコンセプトを180度変えてしまうようなものであり、自分たちからは決して出ないであろうアプローチをしなくてはいけません。それがバズであり、自分たちには思いも寄らぬユーザーの感想なんでしょう。ただ、バズで新たなに集まった顧客はリピート顧客にはなりえないでしょう。ブランド価値に共感しているわけではないですから。

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