泥棒が慈善事業家に変身。

絵本コーナーでよく推薦本としてあがる「すてきな三にんぐみ」、初めて読んでみました。


3人の泥棒たちの話なんですが、物語の結末はタイトルの「すてきな3人組」にヒントがあります。ともかくこの絵本、悪い人が善行をするようになるというストーリーの展開も面白いのですが、色使いも反対色が使われていて、とてもインパクトがありきれいです。ストーリー、ビジュアルとともに子どもには印象深い本です。それが支持され続けてきた理由だと思います。

それと、私が一番おもしろかったのは、

人は目的を持つと動機づけされる。

ということです。泥棒3人も小さな女の子に「何のために(泥棒した)お金を使うのか?」を問われるまで、目的がありませんでした。おそらく、ただ楽しいから泥棒をする、そんなところでしょう。少女の何気ない問いが、彼らの刹那的な行動を大きく改めることにつながりました。

子どもからの問いというのは、純真なだけに受ける側としてはドキッとさせられることが多いです。

「何でお父さんは働くの?」
「何でパパとママは結婚したの?」
「何で人は死ぬの?」

うちではないのですが、私の友人の子どもたちが発した問いです。大人はしどろもどろになると同時に、自分ってなんなんだろう?と考えさせられると言っていました。そして、考えれば考えるほど、この泥棒たちの行動に近い結論を出すのかもしれません。つまりは、誰かのために、困った人のために役に立つことをする。そして自分たちがいなくなっても誰かに感謝されるなんてことがあれば、人生は本望なんじゃないでしょうか。

私がかつて教えを受けた社長が言っていました。

人間の価値なんて、墓に入ってどれだけ人が墓参りに来てくれるかでわかる。

こんな生き方のために、今の仕事や目の前の人と向き合いたいものです。子どもにもおすすめですが、将来の展望が描けない迷いのある大人も一緒に読んでみてください。

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