内と外の区別をつける「あなのいえ わたしのいえ」

「あなたのいえ わたしのいえ」加古里子(福音館書店)
対象年齢4歳~

「ぼくのうちはどこ?わたしのうちはどれ?」

子どもたちは、この本を読むと本の中にあるさまざまな絵を指さします。「いろいんな形態の家があるね」というだけではなく、なんで人間に家が必要なのか?それは内と外の区別をしたり、外的から身を守るために家はあります。そして、生き物である人間には休息が必要であり、やはり落ち着いた場所で眠りたい。より快適にするためには床や窓が家にはついていきます。そして人間はおなかがすくし、うんこもする。だから台所やトイレがある、と人間の生理的な面まで家と人間のかかわりがお話の中に盛り込まれています。

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「あなたのいえ わたしのいえ」加古里子(福音館書店)

家では安心して育った子どもたちも、外に出れば決してやさしい人や味方ばかりではありません。外の世界と関わりながら生きていかなければいけません。外には敵もいます。そのことによって不満や葛藤が起こることもあるでしょう。でも、人間はひとりでは生きていきません。疲れた人間を家は優しくむかえます。そこには家だけでなく家族が待っています。

そんなことを教えてくれた本でした。

そういえば、「立って半畳、寝て半畳」なんていうのも、人間なんてそんなもんだということですが、人間の最後は畳のあるおうちで迎えよう、なんてことを言っているのではないでしょうか。

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