もはや昭和庶民の文化遺産「おふろやさん」

銭湯って好きですか?

おふろやさん

おふろやさん
作・絵:西村 繁男出版社:福音館書店

絵本ナビ

「おふろやさん」西村繁男(福音館書店)

対象:4歳(絵だけなので読めはしますが分かるかは別) ジャンル:暮らし・生活

銭湯って何だか落ち着きますよね。別に私、毎日銭湯通いしていたわけではないのですが、なぜか銭湯は落ち着きます。お風呂が広々としているからでしょうか、おそらく違います。

銭湯は人と人との交流、人間の生活模様、人間ドラマが垣間見えたり、そして庶民文化といったものが、銭湯だけに

裸で現されています。

裸になれるから、自分が素直になれる、だから落ち着けるのではないでしょうか。

銭湯

銭湯のなかの銭湯という写真です

今の子どもたちは銭湯で育っていません。ましてや温泉やスパは知ってても銭湯なんて知らない子どももいるでしょう。でもあえてそんな子どもたちにも伝えたいものがある、残したいものがある。それが銭湯です。もはや、それは文化として紹介してもいいくらいです。

日焼けして海パンの後がついた子どもたちがいます

お年寄りをおんぶしたお兄さんがいます

リーゼントが決まらない若者がいます

湯船で遊んでいるこどもたちを叱るおじいさんがいます

背中に刺青が入った男の人がいます

ブリーフをはいているお父さんがいます

風呂上がりの牛乳を飲んでいる女の子がいます

こんな光景を懐かしむだけでなく、どこかそこに人に交流しあったり、ほっと一息つくところに人間としての自然の姿があったり、そこが本来私たちの戻るべき場所ではないかと、そんなことを思ってしまうのです。いまでは銭湯の煙突も見なくなりました。その煙突はかつては街のシンボルといっても過言ではありませんでした。煙突を目印に人が集まってきたのです。それがなくなったから、人は集まることをやめ、裸の付き合いがなくなってきたのではないでしょうか。街おこしは、銭湯の復活と大いに関係しているのではないでしょうか。

銭湯煙突

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