命をいただくことを教えるのは難しい「しんでくれた」

賛否両論がある本です。

「しんでくれた」作:谷川 俊太郎 絵:塚本 やすし(佼成出版社)

対象:5歳から ジャンル:食育

命をいただくことを教えるのは難しいです。「いただきます」にはその意味が込められているのですが、なかなか実感として分かるように教えるには難しいことです。命を奪う瞬間を見せることもできませんし、肉や魚が食卓に出るプロセスを再現することができません。また、殺生をして食物をいただいていると分かった瞬間、子どもは平気でいられるか、拒食にならないだろうか、なんて考えたりします。

いつかは教えなければならないのですが、そのことをテーマとして扱った絵本と出会いました。

刺激が大きいので、まずはおとなの私が読んでみました。

ハンバーグの表紙、そしてタイトル。全然和みません。また食卓のあたたかさもありません。アイロニカルのような印象さえ受けます。

「うし/しんでくれた/そいではんばーぐになった/ありがとう うし」。

事実なんですが、ちょっと直截的です。ちょっと、幼稚園の子どもにはまだ早いかなと思い本を閉じました。とりあえず全部は読みましたが、詩だけに刺激のある言葉でした。

ただ、苗から育てたキュウリやナスを収穫していただいたり、釣りをして獲った魚をさばいたり、こんな経験はやっぱり必要なことなんです。少しでもいいので、そんな体験に触れさせてあげてほしいものです。いつかは鳥の空揚げが鶏さんであることを気づく日がくるでしょう。その時が来れば、命のありがたさを教えるのによいでしょう。また、同時に人間の業も分かります。

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