本物志向の編集者が訳した「This is New York」

松浦弥太郎さんの訳っていうことで、思わず手に取りました。

作・絵:ミロスラフ・サセック
訳:松浦弥太郎
出版社:ブルース・インターアクションズ
発行日:2004年 
対象:小学校高学年

松浦弥太郎さんといえば、元・暮らしの手帖の敏腕編集長です。うちにも暮らしの手帖のバックナンバーがあるんです。松浦弥太郎さんが編集長をする前と後のバックナンバーを読み比べてみると、松浦弥太郎さんが編集長になって、やはり「変わってるんです」。何が変わったか、ライターさんやコラムニストも変わってるのですが、それだけではありません。それ以上のものがあるのです。ひとえに松浦弥太郎さんの世界観が反映されていると言えます。

ということで、いろんな松浦弥太郎さんの書籍を読んでみました。読むとよく分かりました。

この人、上司にはしたくない

と。だって、自分に、仕事に厳しいんですもの。たとえば、「月曜日に仕事休むのはたるんでいる証拠だ」なんて言われてるんです。そりゃ、よく分かります。前日休みだったんですから、その翌日も休むのは明らかに自分の調整不足です。ただ、それを公然と言えるのはやはり強い仕事人なんです。あるいは、外国語は3か国語くらいは話せるようにと、松浦さん毎日欠かさず勉強されています。しかもこの人22時には就寝されてしまうんです。いったいいつ勉強するんだ・・・。そこには仕事に限らず、生活においてまで徹底した自分のこだわりがあります。

さて、そんなこだわりのある人が訳した絵本があると聞くと、やはり読んでみたいです。わざわざ訳したってことはその人が認めた本です。しかも発行されたのは1960年、今から50年前の絵本です。

このThis(ジス) is(イズ) 「世界の主要都市シリーズ」、すべて松浦さんが訳されているのですが、どれか一冊読めばこの本の魅力がわかります。

なぜって?私、たしかにニューヨークには行ったことはないのです。でも、

行った気にさせてくれます。

そして、

行ってみたいと思わせます。

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それほど、ニューヨークの歴史、地理、観光スポット、景色、商業、人々の生活、芸術、思想にいたるまで、すべて絵で現しているのです。そしてアプローチもメジャーどころだけじゃなく、ちゃんといろんな角度から紹介してくれています。人々の営みが絵本のなかにちゃんとあるんです。

ニューヨーク読んだら、当然違うと都市も読みたくなります。続編がまだ6都市あります。次も読ませたいと思わせるなんて、さすが敏腕編集長が訳した絵本です。

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