ファンドレイジングに関わっているもので、クラウドファンディングの手法は注目していました。クラウドファンディングとは何ぞや?ということを簡単に触れておくと、「企画や新規事業、あるいは寄付などで資金が必要な人がインタネット上で不特定多数の人に対して資金調達するしくみのこと」です。私も寄付で使ったことがありますが、実際に資金調達はしたことがありません。ちなみにクラウドファンディングには購入型と寄付型があり、有名なREADYFORやCAMPFIREは購入型、私がよく見るJAPANGIVING(旧:Just Giving)は寄付型のプラットホームです。クラウドファンディングの実態調査として、株式会社リビジョンの調査によるとクラウドファンディングの認知度13%、利用経験は4%にとどまています。
さて、今回はMakuake(マクアケ)さんのイベントに参加してきました。MakuakeさんはAmebaのサイバーエージェントが親会社です。READYFORやCAMPFIREと同様、Makuakeさんも購入型がメインのクラウドファンディングプラットホームです。ビジネス系のプロジェクトが結構あります。今回は映画、音楽、アニメ、ゲームといったコンテンツビジネスに関する成功プロジェクトの紹介でした。
さて、最初にクラウドファンディングの効用ということで、資金調達以外にもプロジェクト(商品)のプロモーションにもなるという話を聞きます。このあたりは寄付型のクラウドファンディングとは違う効用が出ています。Makuakeのクラウドファンディングはプロトタイプ(試作品)の開発のための資金調達するプロジェクトもあり、その試作品が完成すると「それを商品化してみないか」なんオファーがあることも。
実際に今回は映画、ゲーム、アニメ、音楽分野でクラウドファンディングに成功した方々がスピーカーとして参加されて、それぞれの取り組みの話をされていました。成功要因としてまとめると以下のようなことでしょうか。
2.購入の特典のようなものを用意する(ex.限定とか、30名限りとか)
3.人に話題をつくってもらう
4.リターンを厚くする
5.SNSを活用する
2.は映画、音楽プロジェクトにもあったのですが、金額によって「監督と飲める」とか「ミュージシャンの楽屋」にご招待などといったものです。ファンにとっては結構魅力的な特典です。
私も質問させてもらいました、「サポーターから共感を得るために何をしたか」ということを聞きました。見ず知らずの人から資金を調達、これはよほどの特典か『共感』がない限り、目標は達成できません。できれば共感のための取り組みを聞きたかったのです。『こうじのうた』プロジェクトの小倉ヒラクさんのコメントが非常に参考になりました。
一夜にして成功なし、プロジェクトに対する想いと徹底したプロモーション、細かな情報発信、そしてサポーターに対しての報告の必要は、どこのクラウドファンディングでも同じことなんですね。それはやはり資金調達するためにはプロジェクトの損得だけでなく、サポーターやファンからプロジェクトへの共感を得る必要があるのです。対象は知人だけではないんです、見ず知らずの人からも資金を集めるためには共感の要素が大事になります。ちなみにプロジェクトの結果を開けてみると、7割が見ず知らずの人からの資金調達だったとか、知名度と調達額は比例しない、などの面白い話も聞けました。