課題先進国の課題を移住イベントで目の当たり。

課題先進国とは、かっこいい言葉をつくったもんだと関心します。ただ、その現実は人口減少、高齢化に直面している国をどう存続させるかということです。ましてや地域はそのスピードが速く、消滅の危機を迎えている地域もあります。さて、今回その移住イベントに参加してきたんですが、NPOや自治体が主催となって、その地域で活躍している地域おこし協力隊の方、職人の方、アーティストを招いてのパネルディスカッションがあったのち、その地域の資源である空き家を活用しての事業を参加者で話し合いました。

その地域の町の様子から写真を見せてもらいました。山々に囲まれて自然が豊かです。鳥のさえずりが聞こえてきそうです。でも、

人少なっ、町が寂しぃ。

古い家

まさにこんな家です。写真はあくまでもイメージです。

というのが、伝わってきます。また、昭和40年代との比較をして見せていただきましたが、明らかに昔の方が活気があります。そして、いよいよイベントのテーマ、空き家の外の様子、中の様子の写真を見せてもらいました。元雑貨店だったようで、建物の中には日用品なんかがたくさん残っています。そして段ボールのまま眠っている商品もあります。文具とか、おもちゃとか、足袋とか昭和のものです。人の手は入っているらしいのですが、建物が広すぎて、手入れが届かないのでしょう。言い方は悪いのですが、部屋あらしにあったような荒れ方です。写真を数十枚見たのですが、

家の中イメージ

写真はあくまでもイメージです。昭和感漂う家の中です。

写真を見ただけで途方に暮れました。

さて、この建物をつかって事業を考えてと言われても、まずは片づけをしなくてはいけません。そして、カフェなど事業ができるような空間にしていくにはスペースも確保しなくてはいけません。実際に現地を見てきた人に話を聞くと、「1,2週間できれいになるようなものではない」ということ。さて、町には観光見どころはありますが特別目を引くような名所がありません。また、歴史的な町ですが、知名度もありません。そりゃそうですこの町の名前聞いたことがある人と質問されて会場の1/3しか手が挙がりませんでした。そんななかで空き家を使った事業です。

・・・難易度高っ

参加者でいろいろアイデアを出し合いました。中にあるものを古物好きな人に整理してもらうとか、学生さんにボランティアになってもらうとか、地域の大学と組むとか、リノベーションするとか。ただ、事業化には決定打に欠けるというか、あとそこに関与する人もこれまでの事業の域を出ません。話し合っていて思ったのが、地域創生というのでしょうか、活性化というのでしょうか、

やはり外の人では無理です。

また、そのアイデアを外の人に委ねるのも、少し違うと思いました。そこの地域の人に参加してもらえないと、なかなか外からのアイデアも活かせません。

自然に囲まれた風景などきれいな写真でPRするのもいいのですが、やはり観光ではなく、交流、定住を考えてもらうのであれば、外から見たきれいな光景ではなく、今回のような本当の苦しい姿も見せていく必要があります。そして、何よりも必要なものはその地域に対する愛や地域に住む人の想いです。それが人を集める原動力になってくるように思えてなりません。外部の人がいきなり見ず知らずの土地に愛を持つわけではないので、まずはその地域の人の想いを発信するような取り組みが移住イベントには欲しいものです。

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