効率と利益を追求するとおかしくなる。

畑をやり始めて気づいたことがあります。

せっかく芽が出ても虫に喰われるんですよ。土を掘れば虫に出くわすんですよ。畑にはバッタが飛び交ってるんですよ。

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そして思うわけですよ。虫も喰わない野菜っておかしくない?虫もいない畑っておかしくない?ってことです。生命を育てているのに生命を感じないなんて、なんか変です。

私のお世話になっている畑では自然栽培です。農薬も使いませんし、有機肥料もやりません。

やっぱり野菜の病気は出てきます。野菜は密集して育てると、病気になってしまいます。たとえば、キャベツや白菜は離して育てます。1mの畝に3株くらいしか苗を入れません。キャベツや白菜の間隔は30㎝は空けます。でも、よく見るキャベツや白菜畑は結構密集しています。30㎝も離している畑はあまり見ません。それは農薬を使って病気にかかりにくくしているからです。

そうすれば確かに生産性もあがります、見た目の良い野菜が獲れて消費者の受けもよいです。でも、それが消費者にとって本当に良いことかは別です。

一方で手間がかかわるわりには、生産量も少ない、見た目もよくない。商売としても成り立たない。自分の生活がかかっているのに、このやり方ができるかというと、さすがにそこまではできません。確実に売れて現金収入が得られる方法を考えます。だから、農薬を使うことが悪いとは言えません。むしろ、生活のために農業をするのであればそれは仕方のないことだと思います。

現在の消費社会はやはり生産量をあげるために効率を重視します。そうしないと稼ぐことができないのです。

畑仕事をしながらも効率と利益のことを意識せざる得ないとなると、どれほど人間の生活が資本主義というものにどっぷりと浸かっているかを感じざるをえません。

さて、今日のプロフェッショナルの流儀で奇跡のリンゴの木村秋則さんが出てきた回の再放送していました。

リンゴを育てるなんておこがましい。リンゴが育つための環境づくりをしている。手助けをしている。

そうなんです。木村さんにとっての主役はリンゴで、人間は脇役なんです。むしろリンゴを輝かせるお手伝いをしているのが木村さんです。木村さんの発想は消費社会の人間が主役という捉え方とまったく逆なんです。ただ、その木村さんも無肥料、無農薬でリンゴを育てるのに8年かかりました。8年間はひたすら土をもとに戻していたのです。人間が関与した土をもとの自然の姿に戻すのに8年です。気の遠くなるような長さですが、効率と利益に背を向けた環境の方が自然であり、本来の大地なのです。

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