子どもって、危ないことをします。ただ「それやっちゃダメ」「あぶないって言ってるでしょ!」と怒っても逆効果。子どもはどんどん危ないことをやります。
危ないという認識がない?それならこの絵本がおすすめです。危ない行為を網羅的に取り上げています。
ただ、たいていの子どもは危ないと分かっていながらもついついやってしまう。
それはなぜか?痛い目にあっていないから。それもあります。自分が痛い思いをすれば、危ないことはやめるでしょう。でも、自分が痛い思いをするときは取り返しのつかないことになるかもしれません。
そのためにも、この絵本。
「あぶないよ」と言われて、
なんで?と子どもに疑問を持たせることができます。
大人は危ない理由を説明すればいいのです。おそらく理由が分かっただけでは、子どもはまだその行為をやろうとします。
この本はそんな子どものことをお見通しのようです。
想像させるのです。
これが絵本の醍醐味。それをするとどうなるのか?子どもに想像させるのです。絵本は子どもの想像力を伸ばすと言われている所以です。「血が出るよ」「息ができなくなるよ」「骨が折れちゃうよ」。たくさん痛い思いを想像させることができるのです。そういう意味では
S的な本です。
そこまで畳みかければ、子どもにあぶないことをさせない抑止力につながります。そんな説教じみたことが本来の趣旨ではなく、本当は「人生には楽しいこともあるが、危ないこともある」という人生の向き合い方を教えているのです。賛否はありますが、絵本の本来の持つ力を余すことなく発揮した本です。
ところで、子どもはなぜ危ないことをするか。あれはヒヤヒヤ、ドキドキするためにあえてやっているのだそうです。そうすることで、子どもは呼吸器を鍛えているのです。成長過程で人間の本能が欲する行為なのです。