交付金を使って半額旅行を楽しんでいいの?

先日、イオンに行くと、朝早くから行列が。なんの行列かと思いきや。これです。

image

群馬県の宿泊施設、半額補助。地域に人を呼び込むためとはいえ、なかなかの大判振る舞いです。私も静岡旅行へ行く予定にしていたので、何かあるかもしれないと探していたら、ありました。

image

なんと静岡県のアクティビティーが半額補助。なんなんでしょうか。しかし既に完売御礼となっていました。早く言ってほしい・・・。さて、このあたりで「もしかして地域創生のいっかんの取り組みでは?」なんて思い始めます。どちらのサイトにも同じロゴマークの下に、“地域住民生活等緊急支援のための交付金”というキーワードがあります。

image

あー、やっぱり地域住民生活等緊急支援のための交付金って、地域消費喚起のための政府の交付金だったんですね。ということは全国でどこでも同じようなことをやっているはずです。

やっていました。詳しくは14Byteさんのブログエントリ「ふるさと旅行券で旅をしよう!宿泊費・ツアー代が最大半額に 」をご覧ください。

実に横並びです。この恩恵(恩恵といっても税金です)にあずからない手はないのですが、中には販売開始4分で売り切れの自治体も出てきています。

このような政策って昔から何も変わっていません。消費が減退した自治体の観光地へのカンフル剤のようなものです。一時的には潤うが続かない。分かっていながらやってしまいます。本質的な解決に向かうためには、たとえば敢えて2倍の価格設定をして、2倍のサービスを提供するとか、一時ではなく、継続的に観光客が訪れるための発想が必要です。半額で来た観光客は、半額でサービスを提供されたことが記憶にあるので、元の価格になると戻ってはきません。地域の資源は限られています。その限られた資源で新たに良さを発見したり、見直したり(再定義したり)して、いかに観光客を呼ぶか、実に難易度の高い取り組みになりますが、これを乗り越えれば世界に誇る観光地になる可能性があります。あるいは完全にターゲットをしぼるとか、世界のサイクリストを呼ぶ瀬戸内しまなみ海道などは良い例です。むしろ限られた資源で勝負するには、こちらの方が現実的です。

なぜ私が観光あるべき論など語って憤っているかというと、半額補助が受けれなかったこともありますが、それ以上になんか半額補助と聞いたら自分が申し込んでいた体験ツアーが安っぽくなった気がします。これはちょっと残念です。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加