なんだコミュニティーってそういうことだったのか。

コミュニティー、最近やたら耳にするようになりました。地域にはコミュニティーが必要だとか。何となくは分かるんです。でもコミュニティーは実際にカタチあるものでもありませんから、見ることもできません。

コミュニティーの定義として、一つに人が集まるということ。そして、人が集まる場所があることです。人が集まる、それは何か同じ目的を持って集まるかのしれない、あるいは志向を持って集まるかもしれない。別にそれは勉強会でもそうだし、同窓会でも、趣味の会だってそうでしょう。人が何かのために集まることが大事です。そして、それには場所があるということ。それはコワーキングスペースのようなお洒落な場所でもいいし、公民館などでもいいし、現実の場でなくてもネットでもいいのです。それがネットコミュニティーと言われるものです。

仕事でネットコミュニティーが活性化するためにはどうすればいいか、調べたことがありました。ネットコミュニティーの特徴は匿名性。また、ユーザーは反応を求めてくる。それは言い換えれば、自分の承認欲求を求めている。それが度が過ぎると感情的な衝突を生むなど、いろんなことが分かっていました。実際の活性化しているコミュニティーサイトをみても実にそのあたりの要素をうまく取り入れていました。調べれば調べるほど、コミュニティーというものが分からなくなってきました。(ネットコミュニティーの入門書であれば、下記の本はおすすめです。Kindleなら20%引き)

ようするに、盛り上がればいいのか、流行ればいいのか。

人が集まるのはやはり流行っているからだし、そこの場が楽しいことは確かです。ただ、それではあまりにも安直な気がします。

ちょうど冬休み、読書に耽っていました。

H・ミンツバーグ先生の本です。言ってしまえば、組織マネジャーの観察記です。そのなかでマネジメントとインターネットの影響について書かれていました。

組織の中でも外でも、インターネットはネットワークを強化するかもしれないが、コミュニティーを弱体化させる恐れがある。

なんとなく、言わんとすることは伝わるんです。ただ、ネットワークとコミュニティーの違いって何?などと疑問に思っていました。すると、本日ハーバードビジネスビューのコラムで、同じくH・ミンツバーグ先生がその解を言われていました。

ネットワークとコミュニティの違いを知りたければ、フェイスブックの「友達」に家のペンキ塗りを手伝ってほしいと頼んでみるとよい。

http://www.dhbr.net/articles/-/3913

いやー、分かりやすい。フェイスブックでつながっているだけのことをネットワーク、実際にペンキを塗りに来てくれる人たちのことをコミュニティーというんですね。つまり、コミュニティーでは助け合いが成り立つ。相手のために支援ができる。こんな簡単なことだったんだ。そういう意味では地域コミュニティーといっても、単なる寄合やイベントなどはコミュニティーとは言いません。食事がないときに食事を届けてくれる。屋根の雪下ろしができないときに手伝ってくれる、そういった関係こそがコミュニティーなんです。別に見返りを求めるわけではなく、誰かが困ると、自分が困っていてもやせ我慢してそっと手をさし伸ばす。そんな関係です。むかしの貧乏長屋なんか、最高のコミュニティーモデルです。コミュニティーを学びたければ長屋を研究してみる、そこに多くのヒントが隠されています。

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