高齢者福祉施設のレクレーションでロボットが大活躍。

イベントでさがみ特区のブースをのぞいていると、かわいらしいロボットがいました。

PALRO

ちなみにさがみ特区とは

「さがみロボット産業特区」では、
急速に進む高齢化や、いつ起きるか分からない自然災害から
県民のみなさんの「いのち」を守るため、
生活支援ロボットの実用化・普及を進めています。

「さがみ」には、日本が誇る先端技術がたくさんあります。
こうした技術を結集し、人々の夢を実現できるロボットを作りたい。
本当に必要なものを私たち自身が考え、企業がそれに応える。
「さがみ」から生まれたロボット、
「メイド・イン・さがみ」なら間違いない。

そんな魅力あふれる場所「さがみ」を、
みなさんで一緒に作り上げていきましょう。

「さがみ特区Webサイト」http://sagamirobot.com/about.html から引用

このロボットの名前はpalro。あいさつをすればあいさつを返してくれますし、天気やニュースなども教えてくれます。そして、

「レクレーションやって」

という不思議なオーダーにもこたえてくれます。 さらには

カラオケ歌ってくれたり、

落語話してくれたり、

体操してくれたり、

不思議な機能がついています。これはなぜ???と思ってスタッフの方に解説していただきました。palroの活躍の場は、なんと高齢者福祉施設です。利用者とレクレーションができるそうです。ちゃんと映像もあります。

やっぱり、ロボットということで利用者も物珍しいんだと思いますが、福祉施設の現場は大盛況です。また、palroは機械学習をするので、新たな情報が蓄積されていきます。厳密に言えば、パターン認識や言語予測など成長とは言わないかもしれませんが、palroが成長していく姿に愛着を抱くのでしょう。人は成長のプロセスに寄り添うとその対象にどうしても心を寄せてしまいます。インコが言葉を覚えていく過程だって、一緒にやってて楽しくなるじゃないですか。それと似たような感じです。

でもですね、ロボットと対話をしていると違和感があります。一番大きな違和感の原因は

感情がない。

ということです。人が笑ったり、喜んだりするレクレーションで、喜んだり、笑ったりすることをしないロボットが、人を楽しませることができるのか?という疑念が拭い去れません。最初は珍しさも手伝って楽しませることができるかもしれませんが、それが長い間続くかどうかです。人との交流は人間同士に勝るものはない気がします。

このような光景を見ていると、私はどうしても手塚治虫先生の火の鳥を思い出します。ロボットが人間の世話をする。子どもの世話までロボットがやり始める。そして人類とロボットの行く末は・・・。手塚治虫先生の予想した未来が随分近づいているように思えます。ただし、高齢者社会で介護分野の人手が足りないなか、ロボットの存在は重要です。人間の機能の低下を補うようなことに、ロボットが活かされるのであれば活用してもよいでしょう。でも、今回のように人間の感情に影響するようなことであれば、ロボットの仕事とそうでない仕事の線引きは必要になってくると思われます。 何を言いたいかというと、「人間を補佐すること」と「人間そのものに代替すること」は違うと思うのです。

ママの名前はコンピューター

手塚治虫先生のメッセージは現代にこそ刺さるメッセージが盛りだくさん。

「ママや先生の代わりをロボットにつとまるか?」そう問えば、こたえは明らかなように思えます。ただ、ロボットが感情をもったり、そして、目の前の人間に愛情を持つようになるとこれまた違った話になってきます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加