協働作業でつくるには人文字しかないでしょ「ひともじえほん」

少し前、コンドルズの近藤良平さんのワークショップに参加したことがあります。近藤良平さんと言えば世界的なダンサーとして有名ですが、私の中ではやっぱりこれ。

「てっぱん」の振り付けをした方です。

このダンス、お好み焼きを現しているんです。鰹節の粉や湯気やコテの動き、本当にうまくダンスとして表現しています。思わず身につけたくなるダンスです。

自分も近藤さんにてっぱんダンスを習いたい、という動機で参加しました。実際にてっぱんダンスも教えてもらったのですが、結構身体の使い方や他者を感じるといったことを重視したアクティビティーが多かったです。身体や感覚に向き合う真面目なワークショップでした。

さて、その近藤さんの絵本を発見しました。

「ひともじえほん」福音館の月刊誌なんですが、ぜひ絵本として世に出したい作品です。

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近藤さん率いるコンドルズのメンバーが身体で平仮名を表現します。

1人でできる平仮名、2人でないとできない平仮名、3人でないとできない平仮名、4人でつくる平仮名をそれぞれつくっていきます。

たとえば、えほんの「え」と「ん」は2人でつくれますが、「ほ」は4人じゃないとつくれません。実際に身体を動かしてやってもらえばよく分かります。ひともじは協働作業じゃないとつくることができないのです。自分も作品の一部です。自分が何かの役割を担うことで全体が完成する芸術作品です(言い過ぎではありません)。

まさにその協働作業には相手を感じ、相手と同意して一つの方向に向かう行為が必要になります。ひともじづくりは協働作業やチームワークを身体で感じることができるアクティビティーなのです。

幼稚園の体育祭なんかに入れてもらえれば本当に楽しめるメニューになります。即興で先生が文字を言って、こどもたちが協力してそれをつくるとか、見て楽しい競技です。組体操もいいのですが、ひともじも検討してみてくださいな。

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