インフルエンザ対策は断食です。

インフルエンザA型に罹ってしまいました。インフルエンザに罹るのは10年ぶりです。まさか自分には関係ない…はずはありません。いつかは誰もが当事者になります。発症の特徴として、通常の風邪・熱とは異なります。長年付き合う自分の身体、風邪の兆候は人それぞれ違います。私の場合はのどが腫れてくることが風邪の兆候で、そこからじわりじわりと熱があがってきます。インフルエンザの場合はいつもの兆候がなく、身体がだるいなぁと思うとすぐに高熱に襲われました。病院へ行くと「インフルエンザの予防接種をうけたか?」と質問されます。うけてないし、その可能性があるのでわざわざ病院に来てるんです。検査結果が出て、診察は普通の風邪と同じで、唯一の違いは治療薬タミフルを処方されました。「吸引薬出しておきますので、帰ったらすぐそれ吸ってくださいね」とのこと。

さて、タミフルを吸引したところで、熱が急激に下がるわけでもなく、むしろ身体の中でインフルエンザウィルスと薬が格闘するためか高熱状態が続きます。そこで今回の私の対応策は『水だけ飲んで寝てる』ことに徹しました。安静はどの病気にも言えることですが、絶食までは言われないことが多いんです。「栄養をたくさんとって早く元気になれ」とか病気に罹るとその逆のことが言われます。むしろ、高熱が続いている中に、ウィルスのエネルギー源となるような食物を身体に入れてしまうとかえってしんどいと思いました。熱でうなされているのですから、食べても食べなくても一緒です。日頃の不摂生もありますので、この際、身体の老廃物を出し切ることにしました。

2日で熱は下がりましたが、それよりも驚いたのが断食の効果です。1日食をとらない、というか胃腸を休ませるだけで、臓器が敏感になります。食物も穀物類か野菜しか欲しくないのです。肉が目の前にあっても身体が受け付けないのです。おそらく、弱った身体に抵抗なく栄養にできるものを動物の本能が教えてくれているのでしょう。また、味覚もおそろしく冴えます。弱っているときは自分の身体に良いもの負担になるものを味覚の段階で分けてくれます。やはり口は臓器と直結していることを再認識させられます。こうして身体に負担をかけないように、徐々に体力を取り戻していきます。

自分の身体が生まれ変わったといのはおおげさですが、1日でも自分の身体に何も取り入れないと自分の身体の感覚が澄まされます。それは、逆に言えば普段の自分の食生活の反省にもつながるし、自分の身体の異常が食によってもたらせていることに改めて気づかされます。

さて、なぜ私が食について語っていると病床に伏して読んだ本から影響を受けています。

ウィルスを食で解決というテーマの設定も面白いですが、何よりもすごいと思ったのが、著者の論理展開です。ウィルスにワクチンを備えても世界の人数分、備蓄できるわけではない。それでは自衛しかないという論調から、ウィルスにかかる人とそうでない人の違いを血液の濁りにあるとし、それは食物が原因であるといった結論にするのはやや飛躍感はありますが、食物に対する実践的な知見はうなずけるものであり、非常に参考になるものです。インフルエンザで寝込んだ経験のある方におすすめの本です。身につまされることが多々あります。

それではみなさまよいお年を。

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