タイトルにオチがあるとは・・・。
「おまえ うまそうだな」作・絵: 宮西 達也 出版社: ポプラ社
対象:4歳から 発行日: 2003年03月
この話はどこかで読んだことがあります。そう、ドラえもんの「のびたの恐竜」です。恐竜の卵を孵化させたのび太を恐竜が親のように慕うのです。
のび太と恐竜(ピー助)がお別れするシーンは涙をさそいます。可愛がったものとのお別れのシーンは、なぜだか観客の心を震わせます。おそらく、そこに愛情が存在するからでしょう。そして、その情が深ければ深いほど、お別れは一層切なくなります。愛するものとの別れがいつかは来るということを人間は本能的に知っているんですね。
さて、同じ恐竜のお話です。ティラノサウルスがアンキロサウルスの赤ちゃんにお父さんと間違われ、育てるというお話です。なんかこの話どこかで見た記憶があります。そうです。ドラゴンボールでピッコロが孫悟飯を育てるシーンです。ライバルの子どもを稽古するピッコロと悟飯、やがて二人の関係は師弟愛に変わっていくというお話です。
絵本の紹介はさておき、愛情が芽生える要件として、
1.一方的に慕われる、そして片方がそれを受け入れる
2.同じ時間を共有する。これは苦楽をともにしたり、時間が長く、濃密なほどよい
3.慕う側の成長のプロセスに寄り添うことができる
ドラえもんにしろ、ドラゴンボールにしろ、今回の絵本にしろ、親子以外の関係で愛情が芽生える要件というのは、こういうことなんではないかな、と思ったりします。もちろん、夫婦でも同じことが言えるかもしれませんが、うーん、ちょっと違うのが夫婦の愛情かもしれません。夫婦の愛情の要件はさすがに次回。