ロシアの名作絵本です。いや世界の傑作シリーズらしいです。
作: L・N・トルストイ
絵: バスネツォフ
訳: 小笠原 豊樹
出版社: 福音館書店
発行日: 1962年05月
対象:3歳から
以前に絵本カフェで見かけて手に取った本です。読んでいて思ったのが、まったく何を言わんとしているのかよく分からなかった本です。
手に入れたので、子どもに読んでみます。
ミハイル・イワノビッチ、ナスターシャ・ベトローブナ、ミシュートカ、3びきのくまの親子の名前が実に読みにくい。しかも毎ページ出てくるものですから、読みにくいことったらありません。
そういえばロシア文学は登場人物の名前が長いのです。それに慣れろということでしょうか。今後出会うべき「戦争と平和」などの作品を読むために下地をつくれということでしょうか。
そこまで意図した本なら大したものです。
そして、女の子がこの3ひきのくまの家に入り込むのですが、3ひきのくまがいないことに食事は食べる、椅子は壊す、ベットで寝る。やりたい放題です。女の子がこんなことをやっていいのでしょうか。
3ひきのくまの親子の使っている食器、椅子、ベットなどが大中小と表されています。大中小の概念を教えようとしているのでしょうか?
そして、帰ってきた3ひきのくまの親子は自分たちの家が荒らされていることに気づき、怒って犯人を捜します。
ベットで寝ている女の子を見つけましたが、女の子は逃げてしまいます。そして物語は終わります。
実に後味の悪い終わり方です。
何が言いたいのか?考えました。なぞを多く残す、これがこの本の言いたかったことではないでしょうか。実にロシアっぽいシュールな作品です。
同じことを感じたのは私だけではないようで、OKWEBには以下のような質問が寄せられ、さまざまな回答がありますが、見解が分かれています。
ロシアの民話(?)で、女の子が森の中に家を見つけて留守なのに入り込んで、椅子に座って壊したり、勝手にスープを飲んだり、挙句の果てにベットで寝入る…と言う話だったと思います。
この話の教え、教訓は何なんでしょう?
昔話や童話には、教訓が盛り込まれている事が多いと思うのですが、この話にはそれを見い出せません。
無茶苦茶な女の子の話としか思えません。
そして、なぜか登場人物の表情がないのもこの絵本の特徴です。
そういえば、ロシア人は感情を抑圧するという調査結果が出ていましたが、それもこの本が物語っています。