あなたのスキマ時間を売る、それがともだちになってもらうことだったら。
「ともだちや」作: 内田 麟太郎 絵: 降矢 なな(偕成社)1998年1月発行
対象:3歳から ジャンル:友情
さて、最近は何でもビジネスになる時代です。実際にスキルを売ったり、500円のワンコインで自分のスキマ時間で誰かの相談をのってあげるなんていうビジネスも出てきています。Time Ticketさんのサービスなんか有が良い例でしょう。
さて、今回はキツネがともだちになるサービスを始めます。1時間100円、2時間で200円です。
「ともだちは金で買えるか?」実に深いクエッスションを突き付けられます。
このようなサービスは、本当にカタチを変えて世の中に出回ってます。実際に恋人、親戚、親子の関係になれるサービスがあります。もちろん疑似や代行です。人間関係が希薄になって孤立化が進めば、お金で関係をつくって、関係を体験する。あるいは関係から享受を得るなんてことが出ています。記事のストックはしていないので定かではありませんが、以前朝日新聞でこのようなビジネスの記事の取材がありました。疑似恋人サービス、疑似親戚サービス、目的はさみしさを埋めるためであったり、手術のときに身元保証になってもらうためでした。おそらくこれらのサービスは時間が経てば、あるいは契約が切れれば関係性は解消されます。
まあ、ほとんどの場合、「有期」で、「対価を得て」の関係です。それらは血縁、愛、情が行き交う関係にはなりえません(つまり本当の関係にはなりえない)。だからキツネくんのようにともだちと言っても時給をもらっていては、心底その相手をともだちと思うことはできないのです。
ともだちはつくるもんじゃなく、なるもんだ。
私の友人が言っていた名言です。友人関係とは意図的、作為的に相手に働きかけて成立するものではなく、自然発生的に相互に成立するものと言いたかったようです。そうなると、切っても切れない関係なんていうのも一つともだちの条件になってきます。さて、お金の切れ目が縁の切れ目にならないように、真の友情を育みましょう。キツネくんも最後には真の友情に出会います。