浜松天竜区は森林で有名です。山は杉で覆い尽くされています。日本三大人工美林になっています。
さて、ここで違和感があります。「人工」です。そうです、美林といっても人工的に植えられた森林なのです。調べてみると、
人工林というのは、本来、生長した樹木を伐採して利用することを目的につくられたもの。伐採後はその跡地に再び植栽して育成し、継続的な再生産を可能にする循環型資源です。
これらの人工林の多くは、昭和25年から昭和45年位の間に木造の家を建てる目的で植林されたスギ、ヒノキなどの針葉樹。特に昭和30年代には「拡大造林」という方針のもと、大量の針葉樹が全国に植えられました。当時植林された針葉樹は、40年〜60年を経た今ちょうど使い頃の収穫期を迎えています。
ところが、今は高度成長期ほど建材としての需要はなく、輸入材も多いことなどから、国産木材の利用量は大きく減少。平成7年から17年の10年間でみても約3割減っています。つまり、利用されるべき森林資源が使われずにどんどん蓄積されている。利用価値のある国内の森林資源を活用せずに、海外から輸入している状態です。
「私の森.jp」http://watashinomori.jp/quiz/quiz_01.htmlより引用
人の手で種苗された林だったんですね。杉が多いのも理由がよく分かりました。木材で使用するため、あと成長が早いというのもどこかで聞いたことがあります。確かに伐採をしやすい木です。そうして考えると自然豊かだと思っていたのが何だか複雑です。 はたしてそれが自然と言えるのか?ちなみに自然林に対して天然林がありますが、 天然林は日本の森林の3割も占めていないそうです。
利用されずに放置された人工林は、必要な間伐などの手入れが行われないために森としての健全性が失われ、荒れた森と化してしまいます。森林の保育や整備を行うべき林業は、木材が輸入依存になったことから、これらの作業に掛かる費用も回収できず衰退してしまいました。
放置され荒廃した森では、木々の根元から土壌が流れやすく山崩れを起こしやすくなります。また、CO2の吸収源としても、成長期の若い樹木が二酸化炭素をどんどん吸い込み大きくなるのに対し、成熟した森や手入れされない荒れた人工林では吸収能力が低下します。森の手入れをすることは、洪水や土砂災害防止、CO2吸収源の確保という点からも重要なことです。
「私の森.jp」http://watashinomori.jp/quiz/quiz_01.htmlより引用
林に入ると木と木の間に木が寝っころがってるんですよ。これが間伐材なんです。今までも間伐材見てきたんですが、細木の間伐材しか見たことありませんでした。でも、こちらの間伐材はご覧のとおり、実にふくよか。これは丸太?っていうものまで寝っころがっています。
やっぱり、その丸太は丸太で価値があると思います。結構、椅子にしたりすると「いい絵」になるんです。それはさすが木材のことを知り尽くしたまち。道の駅に切り株の椅子などが売っていました。
土壌や生態系を壊すようであれば間伐は自然破壊ではなく、むしろ歓迎すべきです。それすらもできないのが今の日本の人工林の現状です。そして、やはり林業のまちでは間伐材を使っていろんな商品がつくられています。たとえば、この割り箸。間伐材を使って、地元の作業所でつくられています。割り箸なんですが、木々の香りがします。実にすがすがしいにおいです。間伐材を利用してつくっているのですから、本当に自然にも人間にも役立っている商品です。
こうしてみると、割り箸を使うことが必ずしも環境破壊につながるとは限りません。むしろ環境をよくしています。やはり日本の森林事情をみて、ものを言うべきだと思います。そして、間伐もできずに荒れ放題の林で間伐するのは良いことだし、またその間伐で出てきた木材を使ってビジネスをして、地元に還元できれば三方一両得という、誰にとってもWIN-WINのソーシャルビジネスが成り立ちます。ウッドチップを使った発電などが出ていますが、まだ浸透しているとは言えません。ビジネスのアイデアはぜひともこんなところに活かしたいものです。
こんな本も出ています。宿泊先においてありました。内容はビジネスモデルから考えるかなり真剣な収入法です。