子どもが野球に興味を持っています。
野球を習わせようと、しません。まずは基礎体力づくりからです。走り込みで足腰を鍛え、水泳で稼働領域を広げます。そして、読書感想文はイチローについて課題を与えます。
と言いつつ、この本、私が読んでも面白い。何が面白いかというと、イチローの伝説ではなく、イチローを見守るお父さんです。
お父さんは経営者だったのですが、その指導っぷりが常軌を逸してすごい。経営者にも関わらず、毎日イチロー選手が帰ってくる15時から会社を抜けて練習をします。経営者が仕事を抜け出して子どもの野球の練習に付き合う。経営者自らが実行する働き方改革です。
そして、子どもに野球センスがあると分かると、バッティングセンターに毎日行く徹底ぶり「凡事徹底」です。投資に対するリターンが分かっているのも経営者です。
バッティングセンターでは面白いエピソードがありまして、お父さんとイチローが通うバッティングセンターは120キロまでのスピードしか出なかったのですが、イチローは120キロでは物足りなくなり、お父さんが130キロにあげてもらうことをバッティングセンターに申し出ると、バッティングセンターの人は快く投球マシンのバネを変えて、130キロにしたそうです。バッティングセンターでイチロー親子は愛されていたことを物語る一例です。なんでもバッティングセンターには年366日通っていたらしいです。
そして、涙ながらに語れないのは中学校に進学して野球部に入部したイチローに、お父さんの練習はもはや必要ありません。なんと、お父さん、中学校まで見に行くんです。少し、泣けてきました。すごい選手の裏側には、それを支える支援者がいます。天才を育てるのは、関わる人も度を越えなければなりません。それは昔も今もそうです。
