またもやかこさとし先生の絵本です。これは絵本というか歳時記というか、とにかくお役立ちの一冊です。
対象:小学生~
3月の別の言い方といえば、そうです弥生です。それだけではありません花月・桃月・桜月、夢見月、春惜月、禊月、嘉月とあなたは何個言えますか?私は弥生以外は知りませんでした。この絵本はそんなことから始めます。
幼稚園でひな祭りをしたらしく、うちの子どもが「ひなまつりは女の子」と呪文のように繰り返していました。ひなまつりはいつから始まったか、なぜ始まったか?
中国から病気をおいはらう「上巳の節句」というならわしが日本に伝わり、貴族のあいだで、体のけがれや病気をふせぐ行事となりました。
できるならおまつりの起源、成り立ちなんかも子どもたちに伝えるようにしたいですね。立派な雛人形や雛壇といったことも大事かもしれません。それよりも子どもたちにひな祭りの物語を伝えてあげる方が実はもっと大事なのです。悲しいかな、意外とそれを語れる大人が少なくなってきているのです。だから、この本は大人が読むための本です。しかも、このような暮らしと行事に関わることは日本の文化に通じていることです。外国の方にも説明ができます。外国の人に「啓蟄」の説明を英語ですると、結構感嘆の声が聞けたりするんじゃないでしょうか。
この本は3月の気候のこと、お水送り、お彼岸、春の星、円周率の話なんかも入っていて、盛りだくさんの内容です。もちろん、1月から12月まで計12冊出ています。大人が大人買いして、子どもに説明するための本と言えます。日本の暮らしを親世代の人に伝承したいというかこさとし先生の気持ちが伝わってくる本です。