防災サバイバルキャンプin陸前高田に参加しました(2)。

防災サバイバルキャンプ2日目です。朝早く箱根山に登り広田湾を一望します。山の上から俯瞰すると震災の爪痕は残っており、どこまで波が来たかが分かります。

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箱根山から見渡す広田湾

さて、本日のメニューは7つです。

  1. 竹を切る
  2. 食器をつくる
  3. 何もない状態で火をつける
  4. ロープワーク
  5. おんぶリレー
  6. 担架リレー
  7. バケツリレー

まず山に入り竹を伐(き)ります。私、鉈を使ったことがないに続き、竹を伐ったことも、木を伐ったこともありません。竹は伐れ目を2段で入れて、ロープで倒したい方向に倒す。また、倒す際に割れた竹が飛んでくることがあるので逃げ場を確保しておくことなど教えてもらいます。本当に実戦的です。

ぬめりがあります。

ぬめりがあります。うまく切れませんでした。

その後、伐採した竹で食器とコップと箸をつくります。竹には殺菌作用もあり、洗わずにそのまま使え、水がないときにはそのまま捨てることができます。何よりも、竹は日本の山にはよく生えています。そして、竹材を使った食器づくりですが意外と集中します。先生も言われていましたが「人間は何かに集中してつくるだけでも不安が取り除かれるので、仮設での作業としてもよい」ということでした。

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当日は朝、雨が降っており、地面は少々濡れた状態でした。そこで火おこしが課せられます。燃えそうな枝や枯草、落ち葉が湿っているので火をつける難易度は高くなります。比較的乾いていそうな落ち葉や枝をつくって、昨日習った火のベットや枕、そして布団などをつくり、火のミルクから離乳食を与えて、徐々に火を大きくします。そして、缶詰を投入して食事を温めます。

火のベットと離乳食です。

火のベットと離乳食です。

お腹も満たしたところで今度はロープワークです。

  • ほんむすび
  • 8の字むすび
  • かのこむすび
  • じざいむすび
  • もやいむすび
もやいむすび

もやいむすび

どれも初めての教わる結び方です。ロープはいざというときにほどけてしまっては危ないので、できるようになるまで教わる徹底ぶりです。

そして今度は運動会形式で「おんぶリレー」です。前日の睡眠不足か、体調不良が効いてかふらふらです。ただ、おんぶも身体を密着させて、おぶられる人の手首をおんぶする人が持つことで随分軽く感じるようになることを教えてもらいました。また、「担架リレー」は竹に毛布をくるんで担架をつくります。人が落ちない毛布の巻き付け方を教えてもらいます。細かいことですが、運ばれる人は頭から前に運ばれては恐怖を感じます。足から前に進んで、運ばれる人が前を見れるようにします。「バケツリレー」ではやはり、バケツに水を一杯組んではバケツの水がこぼれる方が多いので、水の量は6割くらいにとどめておくべきです。結構、本格的な訓練ですが、これも運動会形式でチーム競争などの要素を加えると断然参加がしやすくなります。これも現地の事業者さんの日頃の訓練の知恵なのです。

実戦訓練を通じて思ったのが、自分の身体が明らかに“都市化”しているということです。自然と触れ合うだけでなく、人と触れ合うことが完全に不慣れになっています。そりゃそうです、日々人と触れ合うのは満員電車くらいです。そして、人との協働も悲しいかなパソコンを介してなされます。身体を触れ合って何かすることはほぼありません。

本日は夜に地元の建設会社の社長のお話を聞きました。「被災後、再建をあきらた事業者がいた」「物の被災と心の被災」など吶々と話が続きました。火を囲みながらのお話でしたが、人は火を見るとなぜか落ち着いた気持ちになり、火の向こうに吸い込まれそうになります。社長の話を聞きながら、そんな人間の持つ本能を感じさせる体験をさせていただきました。

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