お父さん、お母さん、子どもと一緒に遊んでますか?
「かこさとしあそびの本(1) かわいいみんなのあそび」かこ さとし(復刊ドットコム) 2013年05月発行
対象:大人 ジャンル:遊び
子どもの仕事は遊びです。遊びを通じて、子どもたちは多くのことを学びます。他者の存在、勝ち負け、社会性。言ってみれば遊ばない子どもは育たないのです。また、遊びは楽しみのなかに自分たちでさまざまなものを創造します。「これくらいでやめよう」というルールや「もうちょっとやってみよう」という冒険心、そしてイメージを膨らませる想像力。遊びが子どもたちの未知なる領域を開発しているのです。逆に遊ばなくなった大人は残念ながら、創造することから離れていきます。子どもが退化した姿が大人なのです。
先に言っておきます。どこかへお子さんを連れて、自分はスマホを見る、あるいは友達とおしゃべりするというのは残念ながら遊びとは言いません。だって、子どもと向き合って、子どもと一緒に楽しんでないじゃないですか。相手と向き合う、ともに楽しむということは遊びの成立条件でもあるように思えます。
子どもと遊ぶといっても、何していいんだ?野球か、サッカーか?これも親が教えていては遊びとはいいません。そのほかに子どもと一緒になって遊べるものはありませんか?なければ自分が幼いころ、遊んでいた遊びを子どもたちにやってあげてください。忘れた?そりゃ、忘れます。もう何十年もやってないんですから。
話は変わりますが、先日親子キャンプに参加しました。そこではいろんな家族の方がいました。お互い仲良くなるために、最初にゲームや遊びをしました。かごめをしたんです。♪かごめ~、かごめ~後ろのなかなの鳥は~っていうやつです。大人も子どもも一緒になってみんなで手をつないで円になってぐるぐるまわるのですが、大人はちょっと気恥ずかしさもあって回っていましたが、子どもたちを見てびっくりです。
なんと、楽しそうにやっているじゃないですか!
大人たちには古臭い遊びでも、子どもたちにとっては新鮮で、何よりも楽しいのです。そんな光景を見た大人たちも自然と普通に声が大きくなり、笑みがこぼれます。それほど世代を超えた遊びは偉大なのです。
さて、この名著は遊びの本です。
親世代のひとたちが、自分たちの親から教えられたような遊びがつまっています。ハンカチ、ゆびずもう、おふろの遊び、にらめっこ、工作など本当に多様な遊びがあります。読んでいると忘れた遊びがよみがえってきます。遊びというものは同じ遊びをしていても受け取り方が違います。大人が子どもと一緒に楽しめば、大人はおとなの受け取り方があるはずです。それは実生活を生きていくうえでも役に立つことなのです。だって、遊びには社会性を身につける効果もあるのですから。
にも関わらず珍しく絵本ナビでもみんなの声がゼロです。遊べない子どもがいるというのも危機ですが、大人が子どもと遊んであげられないというのも危機的状況です。Life is Play、遊びを通じて世の中を明るくしましょう。