問いに対して解を導く科学本「ちきゅうがウンチだらけにならないわけ」

科学本という絵本のコーナーがあるのですが、ようやくその意味が分かりました。

「ちきゅうがウンチだらけにならないわけ」作: 松岡 たつひで 出版社: 福音館書店
対象:5歳から 発行日: 2013年06月20日

科学というのは紛れもなく、問いを立てて、それを自分で立証していくわけです。まぁ、自分で疑問をもって、その疑問を自分で解決していくことです。科学本にはそのような本が多いです。自分で問いを立て、その解を導くとどういう能力が身に付くかというと、

自分の周りを観察して、その中から疑問を見つける=問題意識が高まります。

そして、その疑問を自ら、解決するためにデータを集めたり、過去の知見に当たったりすることで筋道立てることで、問いを解決するための答に辿りつきます。その結果、

積み重ねの論理的思考力が身に付きます。

これらの能力を備えた子どもは科学者や研究者に向いていると思います。実はこれは向き不向きではなく、子どもは最初からそんなことを備えているのですが、親が奪っているのかもしれません。たとえば、どこかへ行く途中、道端の虫が気になってじーっと観察している子どもに対して「早く行くわよ!」なんてお母さんに手を引かれる子どもを見かけたことがあります。また、「ねえねえ、どうして夜は暗いの?」「ねえねえ、どうして大人は髭が生えるの?」など子どもから発せられる問いは実は根源的で本質的な内容であることが多いのです。それに対して、大人は「お日さまがお休みしてるんだよ」「髭が生えると大人になったってことだよ」などと回答するのですが、子どもとじっくりと向き合って地球の自転と公転のことや、生態学的に見た髭や髪の毛のことを子どもが分かるように説明はしません。だって、面倒くさいこともあるし、

実は大人だってよく分かっていないことが多いのです。

子どもが理解できるように説明するということは、やはり「そのこと」について理解をしているということです。また、子どもが理解できるように正しく説明できることは、たいへん難しいことなのです。

さて、そんな視点、子どもに説明できるように今回の本を読んでいくと、ウンチに対して新たな知識を得ることもでき、地球がウンチだらけにならない理由を考えながら本を読みます。アフリカゾウのウンチはスカラベが食べているんですが、それであればアフリカゾウのウンチを食べつくすぐらい地球上にはスカラベがいるのか?

スカラベ

スカラベです。

地球上のウンチは土にとけて栄養になる

とあるが、ウンチが栄養になるためのプロセスが簡略化されていないか?など、問い対して足りない点を自分で突っ込みを入れながら読んでしまいます。幸いなことにうちの4歳児からはそんな突っ込みはありませんが、この本は問いに対して解決に至るストーリーの展開に敢えて突っ込み(批判)を入れる余地などを残している本のように思えます。そうです、科学の世界は自分のシナリオに満足してはいけません。

他者からの批判、論理矛盾の指摘はつきものです。

そう考えると、本当に科学本って奥が深いです。

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