絵本作家の創作プロセスがわかる「えほんねぶた」

ねぶた祭りって知ってますか?

「えほんねぶた」あべ 弘士(講談社) 2005年07月発行

対象:ねぶた知ってれば4歳からでも ジャンル:ドキュメンタリー、伝統

私、関東で暮らすまでねぶた祭りのことはまったく知りませんでした。西日本の人間にとって、東北のお祭りは意外と遠いものなのです。さて、ご近所に湘南ねぶたなるものがあると聞いて、毎年見に行っています。西日本のお祭りは神輿でケンカしたり、踊ったりすることが多かったので、灯篭で光る武者絵のねぶたは神秘的でしたし、何よりも芸術的です。実は、ねぶた絵に魅せられるようになって青森まで行ったこともあります。

さて、そのねぶたですが、見るだけでなく、どうやって作っているのかも気になります。かつて仕事旅行社さんでこんな旅があり、旅してみたかったのですが、スケジュールが合わずに断念しました。

ねぶた師になる旅

そこで、ねぶたファンにはたまらない1冊があります。まさに私の希望をかなえてくれた本です。絵本作家のあべ弘士さんがねぶた制作に挑戦するドキュメンタリーを絵本にしています。この本、目を見張るのがねぶたの制作過程だけではなく、絵本作家の創作の過程も同時に分かります。

あべ弘士さんが鏡絵(おもて面)に突然とらを描き始めます。その理由が

「トラにしなさい」と誰かが言ったから

別にあべ弘士さんのまわりに助言者がいたわけではなく、これはあべさんの直感です。俗に言う、

天から降りてくる創作の神様です。

そして、ワニやあざらしなどの動物を描き加えていくのですが、あべさん、なんと!

自分が描いた動物たちと話をしています。

絵本作家って、動物一匹描くのにもインスピレーションを大事にして、絵に生命を与えるような仕事をしているんだなぁ~と感心させられます。だから、純粋な子どもたちに受け入れられるんですね。そんなことで、あべさんの制作したえほんねぶたは最後にお祭りに登場します。

ねぶたを見るなら、本場の青森に越したことはありませんが、「湘南ねぶた」、これ関東圏の方であればおすすめのお祭りです。地元ならではのねぶたが登場して楽しめます。

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本格的なものから

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こんなものまで!

ラッセーラー、ラッセーラー。湘南ねぶたは毎年8月下旬です。

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