ファンは誰か?

自分の提供するものは誰に届いているか、また誰に支持されているか、誰にリピートで購買されているか。それを顧客と言う。顧客あえて、それをファンと呼びたい。事業を継続していく上では、ファンと言う存在は欠かせない。ファンは売り上げの基礎を築く。少なくとも、かのドラッカーが言ったように「事業は顧客の定義から始まる」というくらい重要な存在だ。

ファンは組織だけでなく、個人にもつく。個人でいろんな専門分野で師業や専門的なお仕事をされている人もいるが、やはりファンがあってこそ成り立つ。組織や個人に共感することで、ファンができている。ただ個人の場合は、その人のカリスマ性にもよるものが大きく、一種の宗教のようにも思える。個人でビジネスをするにはそれほどの影響力が必要である。

ファンは無理に増やそうとすると、不思議なもので破たんをきたしてしまう。ありのままの自分を受け入れてくれるファンというのはありがたいが、ファンは一層何かを求めているわけであって、事業者もそれにこたえる努力をしなくてはならないが、無理に自分を変えてファンに迎合すると従来のファンは離れていってしまうのがファンと事業者の自然の摂理のようなバランスを物語っている。

いかに自分のファンを獲得するか、それは会社にしろ、個人にしろ存続するうえでは必要不可欠なことだ。ただ、そこには市場が存在しているわけで、市場に対して受け入れられるものを提供するに過ぎない。いくらこの企業の市場原理に振り回されるのはもうごめんと言っても、今度は個人での市場原理に振り回されることになる。個人で事業を始めても、絶えずファン争奪のための誰かとの競争はついてまわる。

人が生活する上ではサービスと金銭の交換なくしては成り立たない。ただし、その交換も相手が多ければよいというものではなく、自分を信じて何度も交換してくれる相手に出会えることの方が、はるかに意義がある。

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