遊園地のビジネスモデル。

子どもと遊園地に行きました。少し前までは、200円の機関車のゴーカート?に乗せておけば満足していたのですが、幼稚園にも入ると単調な動きの乗り物では、いまいち物足りない様子でした。

3歳にもなったし、随分乗れる乗り物を増えてきたので、(小さい)ジェットコースターに乗せることにしました。チケットが一人300円。しかも、小学生以下は大人同伴ということで2倍の600円かかります…。200円の機関車ゴーカートは子どもだけでも大丈夫でしたが、アトラクションが高度になると料金が高くなるだけでなく、大人同伴が求められ出費も2倍です。

ジェットコースターなので刺激があります。機関車に比べ、スピード感とひやひや感が味わえます。でも、乗車時間はわずか1分くらいのものです。案の上、子どもは面白かったらしく「もう一回乗りたい」と言い始めます。聞いていたらきりがないのでやめます。「いま、やったことを振り返ろう」と今度は人が乗っているジェットコースターを見学します。人が乗っているのを見せながらも、先ほど体験したばかりのコースを俯瞰して振り返らせる、高等な学びです(セコいだけとも言えます)。

そしてジェットコースターの隣には、高速回転で無重力を味わえるアトラクションが600円で乗れます。あるいは回転がだけでなくスイングするものが500円。結構いい値段です。年齢制限があって、うちの子どもはまだ乗れないのですが、興味深そうに見ていました。

写真と本文は関係ありません。

回転してスイングが加わるアトラクション。

遊園地のビジネスモデルは、お客さんが園内を動けば動くほど、滞在すればするほどお金が落ちていきます。そして、何よりも本質的なのはスリリングさや刺激の量を徐々に上げていき、お客さんにより刺激的なアトラクションを求めさせることです。“遊び”とは刺激を求めるものですが、適度な刺激でとどめておかないと危険です。刺激には際限がありません。だから「帰りたくない」とダダをこねる子がたくさん出るのです。

遊びと人間」においてR.カイヨワは遊びを下表のように4つに分類しました。アーゴン(競争)、アレア(機会)、ミミクリ(模擬)、イリンクス(眩暈)。大まかに言うとアーゴンはスポーツ、アレアはギャンブル、ミミクリは演劇などが代表例です。そして最後のミミクリ、この代表格が遊園地です。遊びの要素があればビジネスとして成り立ちます。これらに共通していえることは、非日常空間で興奮や刺激を提供することです。そして人を魅了し、依存の可能性のあることがビジネスモデルとして成り立つ条件ではないでしょうか。

「遊びと人間」ロジェ・カイヨワp81の表を抜粋

「遊びと人間」ロジェ・カイヨワp81の表を抜粋

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