価値は掘り出すもの。

蔦屋書店クリスマスショップの中に、なぜか一枚板屋さんが出店されていました。鳥取から出店されているのはTAICHIROさん。

それにしても一枚板。美しいです。触ると木の暖かみもあります。樹齢250年なんてものもあります。それでも木材は呼吸をして、生きています。乾燥も自然乾燥で5年から15年もの歳月をかけています。価格も20万円から200万円のものまで木の種類によって異なります。こだわりに対する価格です。

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ところで、この一枚板、地元の鳥取で売れているのでしょうか?つまり、この商品に対して、この価格の価値があると認めるお客さんがどれくらいいるのでしょうか。一枚板とは言わないまでも木ならたくさん獲れるでしょうし。一方で東京ですと、一枚板はつくることができません。そもそも材木を獲る山がない。また、富裕層も多いので、一枚板20万といってもポンと支払うことができる人も出てきます。それなりの価格を設定するのは、それなりに人口の多いところ(市場のあるところ)に出てこなければ売れません。

価値に対して、その価値を認め、価値に見合うお金を支払うところに市場が形成されます。

今日のNHK「サキドリ」では、空き屋から廃材を取り出して、商品にするビジネスを紹介していました。空き家のなかには昔の材質でつくった丁寧につくられたもの、希少価値のある材質が使われていることがあります。大量生産、大量消費の現代では決してできない材質があります。言うなれば無駄や贅沢を施したものです。

今回も珍しいお宝が掘り起こされていました。そして見事に材質が再生され、その材質を欲する人のところで材質が蘇ります。

空き家の中で埋もれていたものが価値あるものに蘇ります。これは無価値なものを価値あるものにして、市場をつくっているのです。そのまま置いておいても本来は見向きもされないものに価値を創り出す。価値掘り起こし型のビジネスと言えます。

あくまでも商品を探すのではなく、その商品に価値を創りニーズを生み出すのです。たとえば今回のビジネスで言えるのは、古い廃材が欲しいというニーズではなく、大事に使われていた材質を活かしたいというニーズをつくるのです。

ある人にとってはゴミ同然のものも、ある人にとってはお宝となる。価値はこのある人のニーズを探すことで生まれるものです。

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