ブレストのうまい会社は、一体どんなブレストしてるの?ということでその会社のブレストを体験させていただきました。その会社のブレストの肝は「外し」と「結び」。言うなれば、発散と収束です。「外し」のポイントは、突拍子もないこと、飛んだことを言ってみるというもの。つまり、くだらないことを言えということです。あるいはどうでもいいことをしゃべってみる。結論でないんですけど、だべってみる、そんな感じです。良識ある社会人にその要求はあまりにも高いレベルです。しかもメンバーははじめて会った人たちであればなおさらです。
そこでブレストの補助ツールとして、カードを使います。
まずは発散の段階。ここは思いっきりとんでもないことを言います(言わせます)。カードをひいて、
「一発芸人風に言うと」
など、アイデアを飛ばすヒントのカードがあるんですが、「一発芸人って最近誰がいたっけ?」「どんなギャク言ってた?まじで思い出せない」とか、まじめに知識をひねりだそうとします。別にそんなのどうでもいいんですよ。
「がちょーん」とか、「聞いてないよー」、さらには「ブラックデビル」とかでもいいじゃないですか(かなり世代がばれますけど)。
なんか、われわれって、あまり外れようとしないんですよね。むしろ、まわりが納得する正解を探ろうとするというか、ついつい他者の様子を見てしまいます。そりゃ、周りに変な人に見られたくないですから。でも、そんなんじゃ面白いアイデアなんて出ないですよ。
そして、カードは次の段階に進みます。アイデアを育むもの、アイデアを収穫するものなんかがあります。
たとえば「□□がSNSで○○をシェアするとどんなやり方をする」とか、「お母さんからメールで来て○○が□□□なんだって」なんていうのもあります。ターゲットをイメージさせたり、そのブレスト対象の特徴一言で言い表そうとするなど、かなり考えて設計されています。
そして、ブレストが終了すると、振り返りでブレストの様子を振り返る(内省する)わけなんですが、「あのときは○○だった」などと解釈をするんです。解釈はするのはいいのですが、むしろ解釈の方がブレストより会話が多いんです。「それならブレストでもっとしゃべろうよ!」みたいな感じです。
たとえば、新しいスポーツを考えるというブレストがテーマなときに、「もしも女子高生が野球部のマネジャーだったらってあったじゃないですか?そんなイメージです」なんて誰かが言ったんです。そこは乗る(ノル)べきポイントなんです。少なくとも私的には。「女子高生の野球部といえば、つい最近、甲子園で女子マネジャーがグランドに入って止められていましたよね」とか、そうすると「その女子マネジャーってかなりかわいかったですよね」とか、「なんかかわいい女子の高校野球って見てみたいですよね」とか、どんどんアイデアを無責任に膨らませてもいいじゃないですか(これは私の独りブレストです)。
(写真はあくまでもイメージです。)
なんか、良識ある大人ってそういうのができないのです。無駄話をすることがない。どうしてもショートカットで結論を導こうとする。
いい大人の発想力のチープさはかなりまずい状況なのではないでしょうか。そりゃ、そうです。無駄話をしない、外れないように外れないように会社生活を送っていればなおさらです。そんな人たちが集まって、イノベーションは生まれずはずがありません。
(ブレストのうまい会社の良い例ですね。面白法人カヤックの社長の書籍です)