さんすうも絵本で学べます。絵本のカバー領域って広いですね。
「さんすうだいすき(5) えあわせ でんこうニュース」遠山 啓(日本図書センター) 発行日:2012年02月
対象:4歳から ジャンル:算数
うちの子どもが数字に興味を持ち始めています。数を数えることができます。ほっておくと際限なく数えます。多分除夜の鐘の音くらいは数えます。
足したり、引いたり、そして欲張って掛けたり、割ったりも教えてもいいかなと思い、良書を探していました。先日、ふらっと立ち寄った代官山蔦屋書店の絵本コーナーでは「さんすう」絵本の特設コーナーができていました。その中で見つけた遠山啓先生の本です。ただ、価格を見ると2,400+税、結構な価格です。ということで読んでよければ、購入を考えようということになりました。そして、図書館で探したところ、なんとほとんどが貸出中。そのなかで一冊だけ借りることができたのが、今回の絵本です。
5巻は数字ではありませんが、上下、右左、それに真ん中を加えた位置や場所を把握する練習です。
最初は簡単な問題が出て、これは上?下?なんて問います。そして、地上、空中、上空のカードを正しく並べて、つながる絵にしたりして、徐々に問題が難しくなっていきます。それが分かると今度は右と左の問題です。上下と同様カードの並び変えかえから始まって、人間の手の絵が、バットを握ったり、じゃんけんをしたり、さまざまな動作をしています。それに対して、これは右手、左手?などという問題があります。そして、間違い探しなどもあり、上下、左右逆のパターンで問題がつくられています。
結構緻密な構造になっていて、ページをめくるたびに問題は難しくなっていきますが、前頁の問題をヒントにすれば解けないことがありません。これはいわゆる
プログラム学習というものです。
たとえて言うなら、走り高跳びのバーが飛べたら1㎝ずつ高くしていく、そんな学習方法です。そして高くしていく度に、徐々に新しい飛び方を教えていく感じです。私が新入社員だったころ、指導係の先輩は、一つずつステップに区切って教えてくれました。
- お客さんとアポイントをとる
- お客さんとあいさつをする
- お客さんと打ち解ける
- お客さんに本題を切りだす
そのステップを細かにすると書ききれないくらいありますが、ステップごとにそのポイントや私の問題点を指摘してくれて、それを克服するように指導してくれました。決して、順番を抜かしたりすることなく、順番通り、細かく丁寧に教えてくれました。アポがとれたら、準備をしよう、準備ができたら、商談内容を設計しよう、そんな感じですから、指導されている方にしてみれば、一つのステップができるよようになると、
何だか成長実感があるんです。
さて、この本も私の先輩の指導のようになっています。上下、左右が分かると、上下左右を組み合わせた課題、そして最後は上下左右を数字で示して、位置把握をする課題など、課題の難易度はあがっていきます。それにこたえるとだんだん嬉しくなってくるのです。
人じゃなくて、本が人間に成長実感を味あわせる。
これってすごいことです。人と人とでも難しいことなのに。2,400円の価値はあると思います。ただ、10巻まで出ているので、必要に応じて(子どもの課題に応じて)購入すればよいと思います。