シニア社員のための最高のキャリア研修。

日本の高齢化は国だけの問題ではなく、企業にとっても同様です。40代~60代のシニア社員が増加傾向にあります。これまでの経験を活かして、企業でバリバリ活躍してくれれば何の問題もないのですが、残念ながらスキルの陳腐化にみまわれたり、ポスト不足で管理職になれなかったりして、現在、日本のシニア社員を取り巻く状況は非常に厳しいと言わざるえません。

そのため、最近はシニア向けのキャリア研修などが増えています。一昔前は、シニアのキャリア研修というとセカンドキャリアをいかに過ごすか、マネープランを立てるか、といったものでしたが、最近は雇用延長時代を見据えて、自分が会社にいかに貢献していくか、あるいは新しい道を見つけるかというものになっています。会社に残るにしてもそれなりのことはしてほしい、出るのであればどうぞご自身の経験と専門性を活かして活躍してください、と厳しい二者択一を突きつけられます。

多くの人たちは雇用延長になるのですが、やはりポジションもなくなり、給与も下がり、今までやっていた仕事の延長線となるとモチベーションもあがりません。そういうことでシニアのキャリア研修ニーズが増えているわけです。

さて、結論から申し上げると、シニア社員のキャリア研修は普通のキャリア研修をやったところであまり効果はないと思われます。それはやはりベテランや経験豊富な方はこれまでの成功体験や常識が染みついていて、新たな一歩をなかなか踏み出せるものではありません。また、知識もあり、プライドも高い人が多いです。そうなると、ますます変化しようにも変化することを拒んでしまいます。それであれば、自分をまったく異境の地におくか、未体験ゾーンに強制的に足を踏み入れるしかありません。

そこで私としては次のようなことを提言していました。

NPOで働く。

ベンチャー企業で働く。

このような経験により、自分の今まで培ってきたもの、そしてフィールドが違えど活かせるものが見つかり、そのまま新たなフィールドで活躍してもいいですし、組織に戻ってきて元気になってもらってもいいと考えていました。

最近は、もっとよいフィールドを発見しました。

地方でビジネスを創る。

これをやってもらいたいです。上記のフィールドと同様、地方は人手不足です。だからシニア社員が活きる場所があると思います。また、縮小に苦しむ地方では、再生をはかるために新たなビジネスの創出が必要です。シニア社員がそんなことに携わってもよいと考えました。そして地方としても交流人口を呼びたいのは確かです。企業では年長者といっても50代、60代はまだまだ世間の年齢からみれば若いです。そういう人に地方に行ってもらっても地方には活性化の余地があります。

そして、地方で何かビジネスを起こすには、自分の経験や人脈など総動員せねばならず、また裁量もかなりの範囲で任されるはずです。この醍醐味は一組織人としてやっていたのでは味わえるものではありません。「自分が頼られている」「他者から感謝をされる」ことがあれば、人はそこの自分の居場所を見出しますし、もうひと踏ん張りしてみようと思うはずです。そういう意味では地方はシニア社員の今後のキャリアを考えるにはもってこいの場所だと思うのです。

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