反転学習は、もはや教育改革です。

反転学習のフォーラムに参加してきました。まず反転学習ってどういうもの?ということから易しく説明いただきました。
反転学習
学校で授業を受けて、家で宿題をします。それがひっくりかえって、家で知識習得の勉強をして、学校では得た知識をもとにディスカッションなどをするから反転学習(反転授業)です。普通は授業で知識のインプットをします。そして、家で知識の定着を図るために宿題をします。それが反転学習になると、知識のインプットを家でやり、授業ではその知識のアウトプットを出すこと、つまりは知識を応用するためのクラス授業が中心となるわけです。

今回はその知識習得のためのeラーニングを使った教材やタブレットやスマホで学習できるソフトを見てきました。

「反転学習は教育を変える」とよく言われているのですが、教育の何を変えるかようやく見えてきました。まずは教師に求められる質が大きく変わります。従来の教師の役割は、知識の提供であり、その知識をいかに学習者に定着させるかでした。反転学習で学習者が自分で知識習得するとなると、教師の役割は学習者からその知識をうまく引き出すことです。ディスカッションの場であれば学習者が討議をしやすい場をつくったり、学習者同士の討議をうながしたり、また討議が違う方向にそれたら軌道修正してゴールに導くなどの役割が必要になってきます。また、学習者が知識学習で何につまずいているか、それを把握して、そしてつまづきの解消なんてことも必要でしょう。

どちらかというと教師ではなく、ファシリテーターのイメージに近いです。

そして知識学習では、学習者が独学でも一定のレベルに達するような学習の設計が必要になってきます。教師の代わりに音声や動画などを使って学習者の知識習得を支援します。だからeラーニングやアプリなどの方法が好まれるのです。そして、知識学習で何よりも求められるのは、学習者の動機づけです(だって周囲には誰もいませんから)。そうなると学習者が飽きがこないように興味を惹き続けさせることや、やる気にさせるようなしかけが必要です。もうそうなってくると、ここでも従来の学習内容の設計の技術だけでは足りません。

映像やゲームの技術なんかが必要になってきます。

さて実際は、学習者の知識習得のレベルを一定にできるか(そうしないとクラス授業が成り立たない)、などの課題もあります。ただ、企業人の立場で言えば、この反転学習、忙しいビジネスマンにはもってこいの学習です。スキマ時間を使って、知識学習なんかできれば効率的です。また、1日や2日の研修もクラス授業の半日だけに短縮されることになるでしょゔ。効率化は企業のニーズに合います。

反転学習は確かに教育を変えます。学習者の学ぶプロセスであり、学ぶ場所が変わります。それよりも何よりも変わるものは教育にたずさわっているプレイヤーの役割を大きく変えます。つまりは、教師、教材をつくる人など、従来のやり方ではやっていけなくなる可能性があるということです。

そのインパクトは、教育革命といってもいいくらいの出来事です。
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