ごはんを残さず食べるようになるために稲作を経験する

「ごはんを残さず食べなさい!」

「なんで?」

「だって、もったいないでしょ」

というお母さんと子どもの会話聞いたことがあります。もったいないでは、あまり説得力ありません。でも、実はこれはまだいいほうで、

「無理して食べなくてもいいの、食べれないなら残しなさい」

と言っていたお母さんもいました。

まぁ、ご家庭の考えもあるのでしょうが、少なくとも食べ物に対してありがたさを知るという意味ではどうでしょうか?それであれば最初から自分が食べれる量だけつくればいいのです。

食べ物に対するありがたさってなかなか実感できるものではありません。一番怖いのが「いただきます」と口だけになってそのありがたさを理解していないということです。

10数年前、農家さんの収穫をお手伝いして、その後、農家さんのお宅で食事をごちそうになった時にびっくりしたことがあります。農家さんには小さい子どもたちも大勢いて、農家さんは子どもたちがボロボロと食べ落としたお米やうどんを拾って食べていました。

食べちゃうんだ。

って驚いたとともにハッとさせられました。私は落ちたものは平気で捨てていました。落ちたものは汚いと当たり前のように思ってきたからです。でも、やはり農家さんにとってみれば丹精かけて育てた作物なのです。それを売って生計を立てているわけですから商品なのです。

やはり、食べ物のありがたさを分かるには、その食べ物ができるプロセスに関わることに限ります。

ということで先日幼児たちと稲刈り体験をしてきました。

見渡す限り黄金色が広がっています。稲がたわわになっています。

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最初の鎌で稲を刈り取りますが、草刈鎌だとなかなか刈り取りができません。稲刈り用の鎌ですと刃がのこぎりのようになっているので、比較的簡単に刈り取りができます。刈り取った稲を10束にまとめて藁で結びます。一束できたら、文字通り、「ふぅー」なんて額を汗で拭います。でも、稲刈り鎌って断然使いやすいです。道具の進歩って素晴らしいと思いきや。

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稲刈り機登場です。

自動で刈って、自動で束にしてくれます。機械化ってこういうことなんだ、なんて機械の手際の良さに感心させられます。

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さて、今度は稲干しです。稲藁をどんどん積んで干していきます。さすがにこれは機械ではなく、人力で行います。結構いい運動になります。そして子どもたちも一生懸命に手伝ってくれます。稲わらが黄色くなれば脱穀をしてお米にします。今回はそこまでできませんでしたが、お米ができる最後のプロセスに関わることができました。

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稲を刈り取った田んぼでおにぎりと味噌汁を食べましたが、労働の後、しかもさっきまで自分たちが獲っていたものを食べられるとなると本当においしいです。

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子どもの田んぼ体験、結構各地でやっています。収穫まで経験すると一粒のありがたさがよく分かります。

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