MRIとイノベーション。

MRIを初めて経験してきました。事前に説明を受けます。

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「20分くらいの検査です。時に閉所恐怖症の方なんかは、我慢できなくなるときがあるので、そのときは言ってください」

まぁ、暗闇の密室に閉じ込められるわけでもないので、大丈夫だと高をくくっていました。しかし、頭を固定されて、目の前に鏡をつけられ、そして胴体をベルトで縛られ少々不安を覚えます。ヘッドホーンで音楽も聞こえるらしいので、そこは安心材料です。音楽は「島唄」でした。三味線の音が聞こえて意外と心地よいかも、と思ったのもつかの間。恐怖が訪れます。

まずは鉄道の踏切の音が聞こえます。

コーンコーンコーンコーン

この時点でほぼ島唄は聞こえません。そして、まな板で包丁を刻む音。

トントントントン

結構なってます。そして、

ドンドンドンドン

に変わります。さらには

ドシンドシン

と背中が揺れます。工事現場の音というか、耳障りというか、いろんなワイルドな音が終始聞こえます。決して心地よい音ではありません。何か自分に危害をもたらすような、そんな音です。大人の私も怖いと思う検査です。これを子どもが聞いたらどんなに怖かろうことがよくわかりました。

デザイン思考の文脈でよく聞く話ですが、MRI検査の不安を取り除くために、MRIに入る状況を「冒険」と見立てました。子どもたちに「これから冒険の旅に出発するよ」なんていうわけです。確かに耳から聞こえる音は冒険で聞こえる音なんです。そうなると、子どもたちは不安というよりはドキドキワクワクできるわけなんです。

この記事がうまくまとめられています。特に冒険と見立てたMRIの機器を見てください。http://liginc.co.jp/life/l_design/23024

これって、状況のとらえ方を変えるだけで、利用者のイメージを喚起する画期的な発想だと思いません?おそらく、部屋のペイント、機材の装飾以外にはコストはかかっていません。そして、そこに関係する誰もが嫌な思いをしない。これこそまさにイノベーションです。

私は冒険までは求めませんが、せめて初めてのMRI検査患者には説明は丁寧にしてもらいたいと思いました。「はい、とりあえずなんかあったら言ってください」。「なんか」って何ですか!

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