先日、子どもと一緒にキャンプに行ってきました。小さい子どもが集まるキャンプだったので指導員の方がついてくれました。
初対面の子どもたちともすぐに打ち解け、すごく子どもたちに慕われていていたので、この道のプロなんだなぁ、と思い、なぜこの道を選ばれたのか聞いてみました。やはり、聞いてみるもんです。人間の背景というものは意外なものと出くわすから面白い。
なんと、この指導員の方、以前は公務員をされていたそうです。しかもお堅い部類の。
「現場の勤務をずっとしていたんですけど、厳しい現場だったので仕事が発生するたびに『ビクッ』となってしまいました。仕事としては世間に必要な仕事なんですが、自分がこの先40年近くこの仕事はできないと思いました」といったことを語ってくれました。
うーん、そうなんですよ。新卒で入社するとこの先40年は会社がなくならない限り、ロボットに仕事を奪われない限り続けていかなければいけません。彼の言った「この先40年」自分がそれができるかどうかというのは基準(その仕事があることを前提として)になります。まぁ、私40年もありませんが20年、25年と突き付けてみると、なかなか返答にこまる質問です。
そして、彼が言ったことで印象的だったのが、「仕事のなかで『ネガティブな空気』に触れすぎたので、自然が持つ『ポジティブな空気』に触れたかった」ということです。
非常にわかります。なんか、否定的であったり、攻撃的なオーラをまとった方を常に相手にしなくてはいけない仕事ってあるじゃないですか。クレーム対応なんかそうですよね。さすがにあまり件数が多いとドンヨリします。おそらく、そういうことに疲れたのかなー、なんて推測しました。一方で自然は厳しさがあるのですが、相手は人間を超えたものなのでネガティブな感情を想起させるようなものはありません。
なるほど、自然に囲まれるキャンプというのは、コンクリートジャングルでビルのなかで過ごし、半径数センチ内に人がひしめき合う電車に乗っているビジネスマンにとってみればネガティブ感情を脇に置くことにもつながるんだ!と痛感しました。
実は子どものためといいながら、自分が本質的に自然を求めていたのではないかと初めて気がつきました。また、自然にたずさわる方と話すことで自分の仕事観を見つめなおす良い機会にもなりました。さすがに私はすべてのネガティブ感情から解放されることはありませんが、自然を取り入れることでバランスを保とうかなぁ、なんて思いました。
そうそうキャンプの帰りに良い本を見つけました。キャンプでやったことを都会でもやろうというものです。監修はスノーピークさんです。都会でやることにこだわらず、結構キャンプの楽しみ方として読んでも読みごたえのある本です。はい、取り戻す人間の基本とは、ポジティブな感情です。