上から目線を認めない病。

上から目線、ここ最近やたらと聞きます。ちょっと、人を見下したり、偉そうにして人に言うときにそのことを指摘されます。確かに上から目線でものを言われると受け手としてはあまり愉快ではありません。だから慎むようにというのが最近の風潮です。

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ただ、上から目線、意識して出せば確信犯なんですが、無意識のうちに出るんですよ。たとえば、お客さんから当社のことについて意見をください、とか言われると、内部事情を考慮せず客観的に好き勝手なことを言えます。そうなると表現も大胆になるので、受け手としては、「いくらこちらが頼んだからってそこまで言うか」となるわけです。頼まれた方は「だって好き勝手言えっていったじゃん」となるわけです。

それとか「ご指導ください」なんて後輩がたずねてくるもんだから、指導したら上から目線で偉そうだとか。「指導してくれっていったのはあんたでしょ」みたいな。とにかく上から目線って日本では嫌われてるみたいです。なんでしょうか、みんな平等に扱えということでしょうか。

多分、人間は序列をつくりたい生き物です。上下の関係を示し、自分は少しでも上の層に行こうとします。これは人間の生存欲求です。お猿さんが猿山の頂点を目指すようなものです。その猿山モデルが否定されているのです。ちなみにこの猿山構造が社会にあるからこそ、その中での関係を客観的に見て、人間関係を把握して、対応を考えます。

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みんながフラットな関係であれば越したことはないのですが、下から目線で他人に遠慮しながらものを言う。言いたいことも言わない。そんなことで人間関係が築けるのでしょうか。下手下手でおだてて人に接する。上から目線でものを言われたことがない人たちが育っていくわけです。人間の本来の生存欲求すらも否定する、そんなことを目指す社会の方がむしろ危ないことを私たちは認識すべきです。

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