東北にご縁ができたせいか、東北の動向が気になります。日経Bizアカデミー×東北オープンアカデミーの主催するセミナーに参加してきました。
東北オープンアカデミーは東北復興のためのリーダー養成かと思いましたが、趣旨を聞いて意外でした。都市にいるビジネスパーソン向けに東北へのフィールドワークを促して、言ってはなんですが、東北で復興支援や起業をガンガンやるのではなく、月に一度でもいいので東北に来てほしい。つまり交流人口を増やすのが目的のようでした。
震災から4年。復興の機運は震災直後に比べると落ち着いていてきました。また、震災が起こる前から、地方の空洞化は始まっており、東北はその影響を受けていました。今後人口減が確実な日本。その問題が先取りして地方では起こっているので、よく地方は最先端の課題地域と言ったりします。しかも、東北は復興もしていかなければならない。
最先端地域が何を欲しいているかというと、やはり「雇用」です。生活をしていくための仕事が必要なのです。そこで、東北で新たにビジネスを生み出そうとしている団体に都市からビジネスパーソンが行って、団体の活動に参加して刺激をもらおうというものです。スタディーツアー、復興ツーリズムと呼ばれたりしています。
少なくとも、都市に住むビジネスパーソンはあまりハッピーそうには見えません。どんよりしています。地方に行くことで、自然や地域の人々と触れ合うことで活力を取り戻すことができるというものです。確かにそうなのです、都市の暮らしが長いと田舎の暮らしにあこがれます。自分の仕事を離れて非日常体験をしようものなら、本当に新鮮に感じます。ただ、それはやはりほんの束の間だからいいのです。ずっと田舎暮らしが続くと、やはりそれはそれ田舎のしがらみに直面して、田舎を飛び出して干渉のない都市へと出てくるのです。
都市と田舎、どちらも良い面もあれば悪い面もあります。便利な面もあれば、不便な面もあります。都市にいると、田舎のいいところばかりがクローズアップされて、その厳しさや閉塞感というのが伝わってきません。
今回、東北で活躍されているリーダーの方々のシンポジウムもありましたが、地方という環境でよほど厳しい局面で起業をされた方々ばかりです。やっぱり、都市で話だけ聞く分にはそのへんの苦労がなかなか伝わりにくいのです。実際に現地の人と触れ合って、体験しない限りはなかなか実感としては得にくいのです。アカデミーのプログラム、ぜひ厳しさみたいなものを体験できれば、本当の地方創生リーダーが育っていくのではないでしょうか。